4×8のテーパーボードを使います 〜使用するボードの違いについて
一般的には3×6(サブロク)や、ハイスタッド部には3×8(サンパチ)等のVボードが使われています。
しかし、小さいボードを使えば、それだけジョイント=接合部=継ぎ目 が多くなるわけなので、なるべく大きな石膏ボードを使ってジョイントを短くしたいものです。それでも、あまり大きな石膏ボードは、日本の住宅事情にそぐわないので、ギリギリのところで4×8(シハチ)の石膏ボードを用います。
また、ジョイント処理のために、日本で一般的なVボードではなくテーパーボードを用います。
Vボード(ベベルカット)は、日本での施工では一般的。「ベベル」とは「傾斜」の意。表面の角の形状からそのように呼ばれている。
縦長に施工する習慣がある。
テーパーボードは、日本ではあまり普及していないが、ドライウォールにおいては常識。合わせた時にできる溝に、テープを貼ってパテで埋め、美観と強度を高める。
3×6(サブロク)は、3尺×6尺≒91cm×182cm
4×8(シハチ)は、4尺×8尺≒121cm×242cm
日本の建築様式では、いわゆる尺モジュール(3尺が基準)が多く、建具や床・天井などすべてが3×6の規格に合うように造られているコトが多い。最近ではメーターモジュール(1mが基準)の家屋様式も増えてきている。
横貼りします 〜施工方法の違い
日本で石膏ボードが使われ初めて以来、日本の大工さんたちの習慣によって3×6(サブロク)の石膏ボードが縦貼りされることが当たり前のまま21世紀となってしまいました。
石膏ボードの耐火性などに注目され、建材として認可されたものの、その施工方法については注目度も低く、ほとんど無視されている状態です。
本来的には、縦に入るスタッド(間柱)に対して、石膏ボードを横向きに施工することでスタッド同士を結合させ、強度を向上させるべきものです。
さらに、上段と下段ではずらして千鳥貼りにすることで、十字のジョイントを作らずに丁字のジョイントとし、力を分散して小さなクラックが壁中に延長しないよう工夫しています。
敢えて大袈裟に言うならば、本来は1枚のボードで施工したいものです。しかしそれは非現実的ですので、代わりに、石膏ボードのジョイント(継ぎ目)をなるべく減らしたいのです。
日本の住宅建築で一般的な工法では、下から縦に施工。石膏ボードの結合面が十字に交わり、クラックが走りやすい。
ドライウォール工法では、上から横に施工。隣合う列はずらして施工するため、結合面が丁字になり非テーパー面(ボード短辺、施工上では縦方向)のクラックも走りづらい。
開口部にジョイントを作りません 〜施工方法の違い
「開口部」とは、ドアや窓など壁が開いている部分のことを指します。
通常の壁は、殆どの場合そこに立っているものです。しかし、開口部にはドアや窓が取り付けられることが多く、それらは開閉されます。開閉の振動によって石膏ボードの結合部分にクラック(ひび)が入りやすくなる、壁のウィークポイントとなるのです。
壁が弱くなる部分に、なるべくジョイント(石膏ボードの結合部)が来ないように施工します。